
今年、もしかしたら一番面白かった本かもしれません。
ストーリーは、会社をクビになったホームレスが
偶然の出会いから一発逆転を狙ったアイデアを閃き、
新興宗教を立ち上げて行く、、、
というものなんですが、文章のテンポが良いのか、
一気に読み進めることができました。
終盤よりも、中盤が一番面白いかもしれません。そんな本です。
新興宗教でもネットワークビジネスでも何でも良いんですが、
何かに縋りたいっていう気持ちに対して付け込むビジネスってありますよね。
そういうものの一番都合の良い形が「神」であり「教祖様」であり「カリスマ」なんでしょうね。
何か縋るものがあれば、全てそこに委ねることで思考を停止することができ、
責任もそこに転嫁することができるから、楽な生き方なんだと思います。
できることならそういう信じるものが欲しいなって思うことは僕も時々あります。
でも、そうなると抜け出せなくなるのが分かっているのでそこで自制心が働いていますが。
最近だと与澤翼あたりがそういうものの代表格になるのかもしれませんが。
加えて、今は色んなところから色んな情報が手に入る(特にインターネットでは)時代なので、
その情報に溺れるというか、都合よく解釈できる情報だけを選別したとしても
それなりの情報量になるため、より盲目的というか、偏向的に、都合よく物事を捉えても
一見すると、筋が通る様になってしまっている状況も、
そういういびつなカリスマを作り出す1つの背景になるんじゃないかなあと思うわけです。
この本の中でも、SNSや、少し古いやり方だけど、掲示板を使った世論操作を
行っているくだりはいくつか出てきます。物語の中では大したポイントではありませんが、
個人的には印象に残ったところではありました。
最近はステマとして敏感になっている部分はあるけど、
これはこれでまだまだ確実に機能する側面はあるし、消えることはないんだなとも。
でもそういう幸せもあるのかなと、
ハマっていく人達を見て思う事もあります。信じれば救われるではないけど、
何かを盲目的に信じる事も、それはそれでエネルギーが必要な事だと思うので。
話は逸れましたけど、面白い本でした。
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