2013年2月24日日曜日

BIG ONEについて


NASCARがヤフトピに上がっていたので、何事かと思ったら、
こういうアクシデントがあったからですね。




NEWS:NASCARで大クラッシュ。観客にケガ人か

NASCARをしっかりとフォローする様になったのは昨年なので
まだ、知識量としてはそんなに多くはありませんが
NASCARにおいてこういうクラッシュはBIG ONEと呼ばれます。
定義はあいまいですが1回のクラッシュで10台程度が巻き込まれると
そういう風に呼ばれている様な気がします。

過去のBIG ONE



この辺は同じデイトナで。



色々探すの疲れたのでYoutubeで「NASCAR BIG ONE」と入れてみてください。
こういうのが沢山出てきます。

ちなみに、こういうBIG ONEはNASCARのレースではしばしば見られる光景ですが、
先に上げたデイトナ、そしてタラデガで適用されるリストリクタープレートという
レースレギュレーションが影響しているケースがままあります。
これは何かと言うと、デイトナやタラデガの様に2マイルオーバル
(スーパースピードウェイ)で、かつバンク角も高いコースだと、
平均時速が過度に上がってしまうため
エンジンにプレートを貼付ける事でパワーを抑える=スピードを抑えるという
安全性向上の為の措置を取っています。

そうなるとどうなるか?
ただ一人で走っていても馬力が制限されているためスピードが上がらない。
しかし、集団(=パック)で走る事で1台で受ける空気抵抗を複数台で
シェアすることで空気抵抗が減る。つまり、より速いスピードを獲得できます。
これは自転車のロードレースにおけるプロトンの原理と同じですね。
つまり、密集して走るメリットが産まれます。
そしてそれは上位でフィニッシュする為には必須の条件にもなります。
これに加え、後ろに付くマシンはバンプドラフトと呼ばれる走り方で
後ろから前のマシンを押しながら走って行くわけです。
いきなり分かりやすい動画がありましたので、これを見てください。


※ちなみに、車を半分ズラしているのはラジエターに空気を送り込む事と
フロントに風を当てる事でダウンフォースを獲得するという2つの役割を負ってます。

そうなると、密集状態で300km以上のスピードで上下左右囲まれながら走るという
およそ常人には考えられない狂った状態が続いて行く訳です。
リストリクタープレートレースに関しては500マイルレース(=800km程度)、
今回のネイションワイドシリーズにおいては400マイル(=600km程度)のため
そのプレッシャーは想像を絶するものではないかと思います。

かつ、今回起きたアクシデントは最後の2周でのリスタートから、
ホワイトフラッグ(最終ラップ)後のアクシデント。
リストリクタープレートレースでは、トップスピードに到達するまで
約1.5〜2周程度かかると言われていますのでそういう意味では
一番スピードが乗り、かつ興奮状態の中で起きたのではないでしょうか。
僕はドライバーではないので、彼らの心理状態までは分かりませんが
ファイナルラップの最後のターンであの状態なら、何としてでも前に出ようと
思う心理が働くのは何となく分かります。
デイトナで、最終ラップ、最後のターンというとどうしても
この事故を引き合いに出さずにはいられませんが。


いずれにしても、この規模のアクシデントは多いにせよ
エンジンブロックが観客席に飛び込むというのは初めて聞いたし、
重体の人が出ているという自体はさすがに怖いです。
キャッチフェンスの安全性についてはダンウェルドンの事故でも
カテゴリーは違えど、大きく議論になったものがあります。

安全性に関しては人一倍煩いアメリカなので、
きっと今後何かしらの対策は施される筈ですが、
それにしても、けが人が出ないとこうやって報道されない
日本でのモータースポーツの関心の低さ、何とも悲しいものです。

※今回起きたアクシデントはNASCARのカテゴリーに置いて
2番目に位置するネイションワイドシリーズで起きた事故の為
ドライバーのスキル不足を指摘する声がいくつかありましたが、
前方で主に事故の中にいたドライバー達は、最高峰シリーズの
スプリントカップシリーズのトップドライバーばかりなんですね。
なので、そういった声が的外れという事も同時に指摘しておきます。

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